社会福祉法人 聖風会

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クローバースマイル

2021.07.20

職員定着のサイクルを築く計画的な新人教育体系~「Do簿」~

オリジナル新人教育チェックシート「Do簿」

職員意識調査の実施

聖風会では職員の退職についての課題について、「期待している職員像」と入職してくれる「職員のレベル」に大きな乖離があると仮定し、平成19年に職員意識調査を実施し、現状の詳細把握に努めました。その結果、「計画的」人材育成への職員の期待が非常に高いことが分かりました。

 これまで法人に存在していた新人育成の仕組みはマニュアルを提供し一定期間が過ぎた後に評価するという形で、個別育成型ではなく、出来たか出来なかったかを確認する査定型に近い形でした。この様な仕組みでは、新人職員一人ひとりの成長に応じた育成が出来ず、また、教える先輩職員のやり方や手順に委ねられてしまうという点にも問題があると考えました。

 法人理念に沿ったサービスの基本をしっかりと習得でき、業務に関わる全てを一定レベルで担保できる、新人職員一人ひとりの成長に合わせた教育ができる法人独自の新人教育ツールの策定が必要でした。

新人教育体制・ツールの構築に着手

新人教育ツールを作るにあたっては、平成19年にプロジェクトを立ち上げ、現場の業務を一つひとつ洗い出すことから始め、法人としての共通業務とそれぞれの部署における独自業務を分別した。その中から入職から1年間で身に付けて欲しい業務を抽出し、チェックリストを作成しました。

 チェックリストは、まずは自己評価として振り返りを行い、自分でできるようになった思う項目について、順次先輩職員(「トレーナー職員」)に確認してもらう仕組みとしました。新人職員と先輩職員(「トレーナー職員」)とが良好な関係性を築き、メンバーシップを高めるツールとしての役割を持たせるために、この新人教育ツールを媒介にして、1年間交換日記のようにやり取りをすることができる仕組みでもあります。

キャリア採用についてはこれまでの経歴などを踏まえ、期間や育成方法など柔軟に対応しています。

こうして新人教育ツールとして作成した「Do簿」は、教える側である先輩職員(「トレーナー職員」)もサービスの基礎を振り返ることができ、責任感が芽生えるという利点もあります。新人職員を教える立場のトレーナーは、2~3年目の比較的年齢層の近い職員がなりますが、「トレーナー職員」の教えることへの不安に対しては育成に関する知識を得る為の研修や「トレーナー職員」間での不安や方法論を共有する場の提供など、施設全体でサポートする体制も整えています。

「Do簿」など、法人の「新人教育体系」に関する取組みは平成30年1月に東京都福祉保健局が発行した「職場環境を改善したい福祉事業者の方へ おすすめ実践例 都内7事業所の取組事例を紹介」に取り上げられました。

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