2024.03.04
高齢者にとって「食べること」は楽しみや生きがいの上から重要であり、特に特養に入居している要介護高齢者にとって最も関心が高く、最大の楽しみは「食事」であると思います。
1日3食食べることはその日の活動に必要なエネルギーや栄養素を補うだけでなく、健康を維持していく上でも重要です。その為、私たちは1食1食に「栄養があること」「食べやすいこと」「新鮮であること」「食欲がわくこと」を求め、ご利用者に「食」を通じて「生きる喜び」を感じて頂ければと思っています。
私たち管理栄養士委員会の連載では法人内7事業所の「食」に関する取組みをご紹介していきたいと思います。今回の第十二弾は「台東」部門の2回目です。
管理栄養士は、施設内の色々な会議に参加しています。
今回は「ユニット(フロア)会議への参加」について紹介します。
介護現場では定期的に会議が開催されていますが、「ユニット(フロア)会議(利用者10~12名で1ユニット、従来型施設の場合は20~40名で1フロア)」はその内のひとつです。「ユニット(フロア)会議」は事故防止の対策検討や利用者や家族からの要望等への対応など、色々な議題があがり、検討されていますが、「施設サービス計画書」に基づき提供されたサービスについてケアマネジャーが評価、見直しをする「モニタリング」についても定例の議題としてあげられます。利用者個々の情報を得ることの出来る重要な場です。
その会議には管理栄養士も参加し、ご利用者様の体重の増減など「栄養ケアマネジメント」に関連する情報を共有しています。
先日のユニット会議で、傾眠しがちで食事時間がかかってしまい食事や水分量の低下と体重減少が目立ってきている方が議題に上がりました。
栄養士は昼の時間でしか関りがないため、「夜は眠れているの?」と会議で質問をしたところ、眠れていない事の他に、声掛けをしないと飲み込まない事や、
食事形態が合っていないのではないか等の意見があがりました。
会議で話を整理し、看護職につなげていくこと、視覚で食欲の低下を考慮し食事形態の変更はしないで少し様子をみることで意見がまとまりました。
食事は生活の中の一部であることを、会議に参加すると認識できます。
栄養士としては栄養面の改善が役割ですが、利用者を取り巻く多職種の一員として、利用者お一人おひとりの生活全全体を把握し、全体像を捉えた上で支援内容を考えることが重要です。