社会福祉法人 聖風会

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クローバースマイル

2024.06.10

東京の介護ってすばらしいグランプリ2023 受賞

「東京の介護ってすばらしいグランプリ」とは

東京都社会福祉協議会 東京都高齢者福祉施設協議会 情報・広報室が主催しています。内容は以下の通りです。

「高齢者福祉施設における多様な場面にスポットをあて、介護の仕事の魅力を広くPRする、年に一度のグランプリイベントです!介護の魅力を伝えたい人なら、施設職員・利用者・ご家族などなど、どなたでも応募OK!
優秀作品には豪華賞金・賞品をご用意しています。
受賞作品は、東京都高齢者福祉施設協議会のもつ様々なメディア媒体で公表、PRに使わせていただいています。奮ってご応募ください。」(東京都高齢者福祉施設協議会HPより抜粋)

今回、「動画」「写真」「コラム」「レシピ」の全部門に応募し、「動画」は優秀賞、「コラム」は入賞をいただきました。

介護の魅力発信!「東京の介護ってすばらしいグランプリ」2023

【動画部門】優秀賞 『介護職員のリアル見せます「人材育成」 ~響き合う想い~』

2017年3月、法人内の広報委員会のメンバーを中心とする「動画作成プロジェクト」を立ち上げました。

介護人材の確保は法人運営を左右するきわめて大きな課題です。
作成した動画には「こんな職場で働きたい」と思ってもらえる採用活動上の効果はもちろんですが、何よりも聖風会の職員全員が、今それぞれの立場で行っている「仕事の意味や意義」を再認識することを通して、現在の職場において「誇りとやりがい」を持って働いてもらいたいとの想いを込めました。

動画のコンセプトは、ただ単に法人や施設の概要を説明するものではなく、「悩みながら介護のプロとして真剣に取り組んでいる職員の姿」や「介護職として働くことの魅力や喜びを職員が噛みしめる瞬間」などを現場から掘り起こし、聖風会の魅力を伝えるものとしました。

プロジェクトでは5つの動画を作成致しましたが、今回、聖風会の根幹でもある「人材育成」に関する、記念すべき第1弾の動画で応募しました。

【コラム部門】入賞 『一期一会』

特別養護老人ホーム 足立新生苑 介護職 チャン ティ トゥエット ニュン

一期一会とは、一生涯でただ一度の出会い、二度とないこの瞬間を大切にすることです。私にとって、海外から日本に来たのは出会いです。なんでこの人に会ったのに、あの方に会えなかったのか?それも出会いです。「一期一会」の意味を教わって、有意義な人生を過ごす上でとても大切な言葉だと感じています。私の生活の中に合っていることだけではなく、私のお仕事にも、それは間違いないです。介護という仕事は毎日、同僚やご利用者などと顔を合わせても、その日その時の出会いは一生に一度だけで、二度と同じ日や機会が戻ってくることが出来ないかもしれません。

私は、ベトナムで日本の介護が素晴らしいのを知って、日本の介護を学びに来ました。介護福祉士の養成校を卒業してから、足立新生苑、特別養護老人ホームで就職しています。日本の介護の様子を実際に体験した最初の日に、認知症のご利用者が暴れたり、帰宅願望のご利用者がいたり、急に怒り出したりする方がいて、私は非常に驚きました。ご利用者の普通の表情だったら、私にも対応できると思いますが、その時に、自分は未経験で、怖くて、頭の中が真っ白になってしまいました。「どうしよう?ここはどこ?老人ホーム?ベトナムでいえば、精神病院のようなところだ、自分は日本の介護を勉強しようと思っていたのに、なんでここにいるの?自分はもしかして、間違ったところに来たんじゃないかな」、私はそう思い、非常に不安になりました。

ところが、フロアの先輩達がご利用者の様子を観察して、少しずつご利用者に接し、うまく対応しました。先輩は優しい態度で、ゆっくりコミュニケーションをとったり、ご利用者が好きな飲み物を出したりしながら、なだめました。その後、ご利用者は落ちついて、笑顔が出るようになりました。「先輩のお母さんではないし、家族ではないのに、なんで先輩がこんなに素晴らしい対応ができたのか?」とても不思議でした。私はご利用者が暴れていた時、とても驚きましたが、先輩の対応に、強い尊敬の気持ちを持ちました。私は「日本の老人ホームではこういうことがあるんだ!日本では認知症の人々を適切にケアしていることは、本当に素晴らしい」と思いました。お仕事に驚いた事があったものの、私にとって、それは日々の出会いです。出会った人、出会ったことが、私の思考を変えられるし、今後もう二度と会えないかもしれないし、なので、その人との時間を大切にしようと思います。

同じ人と同じ場所で、何度出会いを重ねても、やはり毎日が「一期一会」で同じ日はなく、戻ることもできません。介護のお仕事についてから、それを深く感じています。特に、看取りのご利用者のお世話をする時です。この世に残るのとあの世に逝くのは、選択ではありません。高齢者に対して、何年間何ヶ月ではなく、何時間何分間から何秒に至るまで、この世にいられるか?介護のお仕事のおかげで、私がそれを感じられました。フロアの看取りの方は午前中、挨拶しに行く時、あのご利用者はまだお話したり、手を繋いだりしてくださったのに、午後の 1 時半頃、急変してしまって、ご逝去されました。あのご利用者の呼吸を最後まで観察出来、あのご利用者の辛さをなんとか感じられたので、自分の波を止められなかったです。お仕事をすればするほど、同僚もご利用者も皆、大家族の一員として思っています。言葉で思ったことを全部に伝えられないと思いますが、最期、ご利用者は穏やかな表情になるように、できること、小さいことだけでも行いたいです。

このように私にとって、一期一会とは、現在の事を大切にすることと自分を、周囲の人たちを、時間を、大切に誠意を持って、後悔せずに、生きることです。これも私の介護の一つのやりがいです。海外から日本に来て介護士として、お仕事をするのは私の出会いです。毎日、出会った人や出会った事などはとてもいい出会いです。その出会いから良いことを学べるし、良い経験を身に付けられます。ベトナムと日本は大きな文化の違いがあり、介護の基本的な考えを理解し、実行することはとても難しいことも知りました。大変なことですが、「一期一会」人との出会いを大切に、丁寧に生きることで、壁を少しずつ越えて、明るい未来に繋がっていきたいと思います。

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