社会福祉法人 聖風会

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クローバースマイル

2022.10.31

足立新生苑が50年つないできたもの ~第4回~

足立新生苑50周年記念 クローバースマイル【特別号】

法人発祥の地である足立区花畑に1968年に開設された足立新生苑は2018年に50周年を迎えました。

『足立新生苑30年史』に引き続き、後世にこの聖風会、足立新生苑の歴史を残すことができないかとの思いから、主に3 0周年以降の出来事である、足立新生苑のユニットケア導入に至った経緯、導入後の様子、職員の思い、そして、「最高に価値あるものをすべての人に」という法人理念のもと、どのような思いで、聖風会の足立新生苑の歴史が築かれてきたのか。足立新生苑5 0 周年記念誌として、『クローバースマイル』特別号にまとめました。

ブランディング委員会のピックアップシリーズとして、数回に分けて掲載していきます。第4回は第1~3回の「導入編」に続き、「成果・効果編」に入ります。ユニットケアを導入したことにより、三大介護(食事、入浴、排泄)をはじめ、ご利用者の生活環境そして職員のご利用者とのかかわり方が変わっていきました。その様子について紹介していきます。

ユニットケアがもたらした変化~その1~

「ご利用者とご飯を食べるということがこんなに楽しいことなんだ」

ユニットケア導入後に、食事をしていた職員が漏らした言葉である。ユニットケア導入以前は、食事の時間に十分に職員配置をすることができず、ご利用者と職員が食事中にゆっくり話をするということができなかった。
そこで職員で「ご利用者に寄り添うとはどういうことか?」をもう一度考えてみた。その中で、ご利用者が落ち着いて食事をすることが出来るように、職員も一緒に座って食事をしてみるのはどうだろうか、という話が出た。

ユニットケアを導入後は、職員配置を小規模単位で考えることができるようになり、ご利用者と職員がゆっくり座って落ち着いて食事をとることが出来るようになった。
これまで食事中に落ち着きのなかったご利用者も、落ち着いて座って食事がとれるようになっていき、大変だった食事の時間もご利用者と会話が弾む楽しい時間となった。

自分で食事の準備をする

「食材をご利用者にどうやって食べたいかを聞き、一緒に準備・調理をするという希望を叶えられないだろうか」ある日、職員から提案があった。この提案を実現すべく、すぐに介護職員と管理栄養士で話し合いが行われた。介護職員、看護師が連携し、ご利用者と一緒に食事の準備を行い、提供できるように体制を整えていった。
食材がそのままフロアに届けられ、「今日はどのように料理をしていきましょうか」「配膳はどのようにしましょうか」など職員とご利用者がその都度話し合いを行いながら、準備を行った。

話し合い後にはその料理ができるように、ご利用者に食材を切ってもらったり、調理をしてもらったり、それが難しいご利用者には配膳をお願いしたりと、食事の準備を職員だけで行うのではなく、ご利用者と一緒に行っていった。食事を職員から提供してもらうのではなく、準備の段階からご利用者に関わってもらい、食事の準備をご利用者の一日のスケジュールに組み込んでいった。

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