社会福祉法人 聖風会

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クローバースマイル

2022.12.19

聖風会 ロードショー 第6幕 -木村輝明 編-

映画よりもドラマティックな出来事が起こるから「人生は面白い」

聖風会で働く職員は現在930名(2022年7月現在)。その職員一人ひとりに、福祉の仕事に関わった“きっかけ”や仕事を続けている“想い”があります。

どのようにして福祉の仕事を志し、聖風会への入職を決意したか。またどのような職業人生(道、ロード)を歩んできたかを、その時々に触れてきた、音楽、本、映画、心に残っている言葉と共に紹介するシリーズ連載「聖風会 ロードショー」をスタートさせます。

今回は千住桜花苑の木村輝明施設長です。第6幕(全3回)は、チームマネジメントで気を付けていること、お手本にしている人物についてのお話を伺いました。

チームマネジメントにおける頭(脳)の働き

チームをマネジメントするうえで、頭(脳)の働きを理解し心掛けていることがあります。林成之氏の著書『解決する脳の力』『解決する脳の力 無理難題の解決原理と80の方法』を読み次のことを実践で活かしています。

1つめは『空気』です。
ネガティブな発言や感情は、脳の働きを低下させると言われています。そういった空気下では、脳の働きが低下しパフォーマンスは向上せず、チーム力が低下します。場の空気を読みながら、自身を含めた全体の感情と言葉をコントロールし、時には笑いをまじえ、明るく前向きな気持ちで仕事ができる環境(関係)作りを心掛けています。

2つめは『安心』です。
日頃より「責任は自分がとる」という姿勢をチームに感じてもらえるよう心掛けています。チームが安心感を得ることで、変化を嫌わずチャレンジ精神や向上心が芽生えるように感じています。

3つめは『好かれる』です。
以前は「役職者は嫌われてなんぼ。」などと言って、自分を正当化していたように思います。部下に言うことを聞いてもらえなければ、チームとしての機能は低下し、良いケアは提供できません。尊敬され、好かれることは簡単なことではありませんが、嫌われないようにはしないといけませんね。チームの職員と対話をしながら、時には厳しく、時には優しく伴走をし続けることを心がけています。

林成之『勝ちつづけるチームをつくる勝負強さの脳科学 「ピットフォール」の壁を破れ!』(朝日新聞出版、2016年)

林成之『解決する脳の力 無理難題の解決原理と80の方法』(KADOKAWA、2012年)

常に少し先を行く存在に

マネジメント職として半歩でも先を行く存在であることを意識しています。現場では知識、技術の進歩や変化に常に対応していかなければなりません。時には非常事態や未知なる課題が発生したりします。
最近ではコロナウイルスの未知なる対応に大変苦慮し、今でも油断できない状況にあります。マネジメント職として、職員に様々な形で伴走するためには、常に新しい知識と技術を身につけ、職員より半歩でも先にいなければならないと考えています。そのために、新たな仕事や難しい仕事はまずは現場に投げず、自分が汗をかくことを心がけています。
また、新たな知識や技術を身につけるためには、内外上下問わず、知っている人や詳しい人に謙虚に教えてもらうようにしています。キャリアを重ねると人に教えてもらうことを躊躇してしまうことがあるかもしれませんが、謙虚に教えを乞うと皆ていねいに教えてくれます。そのためには日頃から多岐にわたる人脈作りが重要になりますね。

私のお手本

仕事に限ったことではありませんが、元メジャーリーガーの松井秀喜選手をロールモデル、お手本としています。1992年の高校野球での5打席連続敬遠は多くの人の記憶に残っているのではないでしょうか。自分もテレビでその様子を見ており、複雑な心境であったことを覚えています。その後の松井選手の活躍はいうまでもありません。
読売巨人軍での活躍はもちろん、メジャーリーグでもワールドシリーズを制しMVPを受賞する活躍をされました。決して派手な選手ではありませんでしたが、偉大な結果を残された選手です。その裏には血のにじむような努力があったと思います。長嶋監督と師弟関係にあり、合宿での畳が擦り切れるまで行っていた室内での素振りのエピソードは有名です。

また、松井選手がインタビューなどで人の悪口や、他責な発言をしているのを聞いたことがありません。なにかの記事で読みましたが「人前で人の悪口を絶対に言わない。」という父親の教えを守り続けているとのことです。多くを語らず、決して派手さはないが、地道な努力とその姿勢で大きな結果を残す、不言実行の職人気質的姿勢は見習うべき姿であると心に留めています。

松井秀喜『不動心』(新潮社、2007年)

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