社会福祉法人 聖風会

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クローバースマイル

2023.06.12

足立新生苑が50年つないできたもの ~第6回~

足立新生苑50周年記念 クローバースマイル【特別号】

法人発祥の地である足立区花畑に1968年に開設された足立新生苑は2018年に50周年を迎えました。

『足立新生苑30年史』に引き続き、後世にこの聖風会、足立新生苑の歴史を残すことができないかとの思いから、主に3 0周年以降の出来事である、足立新生苑のユニットケア導入に至った経緯、導入後の様子、職員の思い、そして、「最高に価値あるものをすべての人に」という法人理念のもと、どのような思いで、聖風会の足立新生苑の歴史が築かれてきたのか。足立新生苑5 0 周年記念誌として、『クローバースマイル』特別号にまとめました。

ブランディング委員会のピックアップシリーズとして、数回に分けて掲載していきます。第6回は「成果・効果編」の第3弾です。ユニットケアを導入したことにより、三大介護(食事、入浴、排泄)をはじめ、ご利用者の生活環境そして職員のご利用者とのかかわり方が変わっていきました。その様子について紹介していきます。

ユニットケアがもたらした変化~その3~

排泄問題すっきり解決!?

ある排泄委員会会議でのこと、「24時間通して、ご利用者の排泄状況を確認できるものがない。夜間の排便の対応が多く、不眠や転倒のリスクが高まっているが、その情報が日勤の職員へうまく共有できていない」という意見が出た。

これをテーマに対策が検討された。これまでユニットごとに排泄表を作成していたが、それをやめ個人排泄表を作成することとなった。個人排泄表では1か月24時間の排泄状況が確認できるものにした。また、おむつへの意識改革、排泄の勉強会を定期的に実施した。これによりおむつ代が年間150万円の削減、またご利用者の衣類交換の回数も減少、ご利用者の満足向上につながった。これらの取り組みが現在の「総合記録シート」に受け継がれている。

2011年に行われた「アクティブ福祉in東京」において、上記について発表を行ったところ見事「東京都福祉保健局長賞」を受賞した。

ここが家になる

ユニットケアを導入して、フロアの各箇所にご利用者が心地よい時間を過ごしてもらえるように、ご利用者の家のような生活の場としての空間づくりを工夫した。不要となったテーブルを引き取り廊下に配置し会話ができるスペースを作ったり、敢えて人から見えることのないようにパーテーションで区切り、ご利用者が落ち着ける場所となるようにレイアウトを工夫していった。

その甲斐あって、ご家族が面会に来た際に、ご利用者とゆっくりした時間を過ごすことができるようになったり、ご利用者同士や職員との会話が増えたりとコミュニケーションの場が増えていった。一方で、一人でも落ち着くことのできる空間づくりの工夫も行っていったため、ご利用者にとってフロアが自分の家のような生活の場として過ごしてもらえるようになっていった。

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