社会福祉法人 聖風会

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クローバースマイル

2023.07.31

足立新生苑が50年つないできたもの ~第7回~

足立新生苑50周年記念 クローバースマイル【特別号】

法人発祥の地である足立区花畑に1968年に開設された足立新生苑は2018年に50周年を迎えました。

『足立新生苑30年史』に引き続き、後世にこの聖風会、足立新生苑の歴史を残すことができないかとの思いから、主に3 0周年以降の出来事である、足立新生苑のユニットケア導入に至った経緯、導入後の様子、職員の思い、そして、「最高に価値あるものをすべての人に」という法人理念のもと、どのような思いで、聖風会の足立新生苑の歴史が築かれてきたのか。足立新生苑5 0 周年記念誌として、『クローバースマイル』特別号にまとめました。

ブランディング委員会のピックアップシリーズとして、数回に分けて掲載していきます。第7回は「成果・効果編」の最終回です。ユニットケアを導入したことにより、三大介護(食事、入浴、排泄)をはじめ、ご利用者の生活環境そして職員のご利用者とのかかわり方が変わっていきました。その様子について紹介していきます。

ユニットケアがもたらした変化~その4~

個別性の追求―ご利用者にとっての“普通”の生活とは―

ユニットケア導入後は、ユニットごとに行事を考えたり、フロアのレイアウトを変えたりと、ユニットごとにどんな新しいことを取り入れられるか、互いに刺激しあいつつ競争している雰囲気があった。
しかしある日、非日常ばかりをご利用者に提供し続けている雰囲気があるのではないかと課題があがった。それから職員同士で話し合い、大切なのは特別な行事や空間を作ることではなく、ご利用者の“普通”の生活に近づけること、個別性を追い求めることなのではないかという意見がでた。

それからは、“普通”の生活を意識するようになり、食堂においては、ご利用者の手の届くところにポットやお皿を置き、お茶の準備や食事の配膳をご利用者自身でできるようにしたり、洗濯物を車いすのご利用者でも手の届くところでできるようにするなど工夫していった。これまでは出来るだけ、ご利用者から危険を排除し、安心安全な生活ができるように、また非日常を追い求めていたが、そうではなく“普通”の生活の中で喜びを見つけられるようにしていった。

浮き彫りになった課題

ユニットケア導入当時、7割が勤務年数3年以下、平均年齢も28歳と経験の浅く、年齢が若い職員が中心であった。
ご利用者との時間や業務改善に時間を充てていた分、コミュニケーションが疎かとなり、職員間のコミュニケーションが課題としてあがるようになっていた。
コミュニケーションを育むために、ユニットリーダー会を年3回開き普段の悩みや工夫の情報交換を行ったり、「高齢者ユニットケアマニュアル」を音読したり、様々な情報共有の場を設けた。その一つとして常勤職員、パート職員、派遣職員等様々な立場の職員が意見・情報交換ができるように、休憩時間の取り方やご利用者と一緒に食事をとる時間などの工夫を行った。その甲斐あって、職員のコミュニケーションが活発化していき、職場の雰囲気も良い方向に変わっていった。

最期まで足立新生苑で暮らしたい

ご利用者の中には入院をしてしばらくすると、「食事が十分に取れなくても良い。だから住み慣れた足立新生苑に帰りたい」というご利用者が多かった。そういったご利用者の思いはもちろんのこと、ご利用者ご家族も足立新生苑での看取りケアを希望される方の期待に応えるべく2015(平成27)年度より足立新生苑でも看取りケアを本格実施した。終末期にご利用者に寄り添うだけではなく、ご家族にも寄り添い、約5年間(2020年度7月現在)で57人の看取りを行ってきた。
看取りケア開始と同じくして、夜間の看護師対応も夜勤体制からオンコール体制に移行した。これまで10人程の看護師で夜勤を回していたが、夜勤がなくなり看護師の負担は減少した。看取りケア、オンコール共に外部の病院との連携が密に進んだ結果である。内部の職員間だけではなく、外部の方々とも連携を深めていく必要性を改めて感じた。

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