社会福祉法人 聖風会

社会福祉法人 聖風会

クローバースマイル

2023.11.13

聖風会 ロードショー 第7幕 -東 理江編-

映画よりもドラマティックな出来事が起こるから「人生は面白い」

聖風会で働く職員は現在930名。その職員一人ひとりに、福祉の仕事に関わった“きっかけ”や仕事を続けている“想い”があります。

どのようにして福祉の仕事を志し、聖風会への入職を決意したか。またどのような職業人生(道、ロード)を歩んできたかを、その時々に触れてきた、音楽、本、映画、心に残っている言葉と共に紹介するシリーズ連載「聖風会 ロードショー」をスタートさせます。

今回は「ゆうあいの郷 扇」の東 理江施設長です。第7幕(全3回)は、学生時代から福祉の仕事につくまでのお話を伺いました。

人の役に立つのが好きな5人姉弟の末っ子

実は5人兄弟の末っ子、当時としても珍しい7人家族という大家族で育ちました。
末っ子ですので、姉たちからは何かと用事を言いつけられていたように思います。また、家は自営業で段ボールの箱を作っていましたから、家族総出で遅くまで仕事を手伝うことも珍しくありませんでした。

ただ、手伝いがイヤだとはあまり思っておらず、単純に、何かして喜ばれるのは嬉しかったですね。
それは家族に対してだけでなく、知らない人に対しても同じです。電車で席を譲った時など、「ありがとう」と感謝やお礼の言葉を言われると、胸がキュンとなるというか、なんとも言えない喜びが胸に広がります。
人のために何かすることが好きな自分には、福祉の仕事が向いているのではないかと漠然と思っていました。

しかし、高校卒業後は福祉とは全く関係のない、銀行に就職します。
自分の周りが銀行、証券会社、デパートなどに就職する人ばかりというのもあり、福祉の仕事は考えていませんでした。当時はとにかく社会に出て、自分で働いて収入を得るというのが最優先で、職種や仕事内容をじっくり検討する時間はとっていなかったですね。

郵便局で働く姉から、「銀行は休みの日が固定されているから良いんじゃない」と言われ、安定もしているだろうと、割と安易な理由で働くことを決めました。

このままでいいのかと改めて仕事に向き合う

銀行に勤めてから4年ほどが経ち、余裕が生まれてきたころに、新潟に住んでいる父方の叔父が亡くなりました。父を含め5人兄弟の長男で、親分肌の厳格な叔父でした。子どもの頃は毎年夏休みに新潟へ遊びに行くと「よく来たな~!」と精一杯もてなしてくれるやさしい叔父でしたが、少しでも悪さをすると、甥っ子だろうが他人だろうが「コラーーーーッ!!」と雷が落ちる、ここ最近見かけなくなった昭和の頑固親父でした。庭にいた小さなカエルを捕まえて部屋で遊んでいた時、ひどく怒られたのを覚えています。その叔父が病に倒れ父がお見舞いに行くと、自分の最期を悟ったのか泣いてばかりだったと聞きました。叔父のそのような姿は想像できず、とても切ない気持ちになりました。
結局、お金や地位よりも、最後に拠り所となるのは「人との関わり」なのだと深く感じる出来事でした。


その後、一日の大半を占める仕事の時間をムダにはしたくないと思うようになり、改めて仕事というものを考えるようになりました。銀行の仕事がイヤなわけではなかったのですが、すごく充実していて楽しいかというとそうでもなく、どこか物足りなさを感じていました。
人の力になったり、喜ばれたりする中で、充実感や学びを得られる、そんな仕事がしたいという気持ちが日に日に強くなっていきます。また、やはり自分には福祉の仕事が向いているのではと、改めてぼんやりと思うようにもなりました。

そんな時、ちょうど「無資格OK、巡回入浴」の求人情報を見つけ、ためらうことなくその道に飛び込みます。

巡回入浴の仕事はまるで消防隊員のよう

巡回入浴の仕事は、毎日、チームで車に乗り、東京都内を回って高齢者や障害者の方々をお風呂に入れるというものでした。実際に仕事を始めてみると、「これこそ自分が求めていた仕事だ」と、衝撃と感動を受けたのを覚えています。

巡回入浴の日々は、まるで消防隊員になったかのような日々でした。チーム全体が協力し合い、精力的に動き回り、掛け声で意気を合わせ、給排水のホースは素早く8の字巻き、2階以上のお宅は「馬つなぎ」の結び方で安全に湯水ホースを吊り上げ、ご利用者の元を訪れて笑顔を届ける、その充実感は今までの仕事にはないものでした。

東京都内を広く回るため新たな出会いも多く、非常に刺激的でもありましたね。

振り返ってみれば、福祉の仕事は未経験だったため、先入観を持たずに取り組めたのも良かったのかもしれません。思い描いていたものがなかったのでギャップも感じず、多少しんどいことがあっても、こういうものかと受け止めていたように思います。

思い出の日々:5人姉弟の末っ子としての日々

兄弟構成は、上から長女、長男、次女、次男と、女男が交互に並んでいます。年齢もそれぞれ1、2歳差で比較的近いです。

末っ子の自分はわがままなところもあり、姉たちからは煙たがられることもありましたが、一番上の兄からはいつも可愛がられていました。兄弟でペアになって遊ぶときは、常に一番上の兄と一緒でした。

家庭は非常に賑やかで、無意識のうちに姉や兄の影響を受けていたように思います。
例えば、中学の3年間はバドミントン部に所属していましたが、姉が中学時代ずっとバドミントンをやっていたことがきっかけでした。

クローバースマイル一覧へ
ページトップ