社会福祉法人 聖風会

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クローバースマイル

2024.02.19

聖風会 ロードショー 第10幕 -髙橋貴枝 編-

映画よりもドラマティックな出来事が起こるから「人生は面白い」

聖風会で働く職員は現在930名。その職員一人ひとりに、福祉の仕事に関わった“きっかけ”や仕事を続けている“想い”があります。

どのようにして福祉の仕事を志し、聖風会への入職を決意したか。またどのような職業人生(道、ロード)を歩んできたかを、その時々に触れてきた、音楽、本、映画、心に残っている言葉と共に紹介するシリーズ連載「聖風会 ロードショー」をスタートさせます。

今回は「ゆうあいの郷 六月」の髙橋貴枝施設長です。第7幕(全3回)は、学生時代のお話を伺いました。

バレーボール少女から福祉の世界へ

小さいころから運動が得意で、特に球技が好きでした。
中学生ではバレーボール部に入部し、中学一年生で既に身長160㎝と高身長だったため、センターのポジションでアタッカーを担当しました。その後、高校一年生までバレーボール部を続けます。

中学では、先輩後輩に関係なく実力で試合に出られるという環境でしたが、高校でガラリと変わりました。顧問の先生の方針により試合出場は先輩選手が優先されるという環境になりました。
自分も含め経験も実力もある一年生が多かったため、そのような方針には疑問でした。公式試合も出場できないまま、あっさりと負けてしまいます。そのような状況に納得がいかず、1年で退部を決意しました。

その後は、家庭科の先生と親しかったこともあり、放課後に一緒におしゃべりをしながら、手芸やお菓子作りをしていました。運動とはまた違う経験ができて楽しかったですね。
ただ、高校卒業後は体育系の大学への進学を考えていましたので、バレーボール部を辞めたことで進路を考え直す必要はありました。家庭科系の取り組みを活かすなら福祉の仕事だろうかと思っていたときに、地元・草加市が主催する手話の講習会があることを知ります。「福祉の道を目指すのなら!」と、受講してみることにしました。

市の講習会から手話の世界に魅了される

手話の講習会では聴覚に障害がある方が講師を務めており、講習会のOBも通訳として参加していました。あまり深く考えず参加しましたが、修了後は手話奉仕員の資格を取得できるという会で、しっかりと手話を学ぶための集まりでした。

講習は全部で約30回、期間は1年ほどでしたが、あっという間に終わったのを覚えています。手話を学ぶ過程は新たな言語を習得していくようでとても楽しく、どんどんのめり込んでいきました。学校で習っている英語は苦手で、まったく喋れなかったのですが、それが逆に良かったのかもしれません。いつも使っている日本語以外の言葉を使えるという感覚が新鮮でしたね。

当時、講習会に参加していたのは40人ほど、その中の2、3人は今でも付き合いがあります。一人は、私よりも5歳ほど上の方で、保育士として活躍されていました。手話がお上手で、積極的に耳の聞こえない方の手伝いに行っておられ、その方にはとても刺激を受けました。
また、講師の一人とは縁あって、後に夫婦となります。

大学の手話サークルで「ノートテイク」を実施

すっかり手話に魅了され、大学では手話サークルに入ります。特に目立った活動をするサークルではありませんでしたが、同級生に聴覚障害の学生がおり、その方のために聴覚障害のある学生を支援する活動を始めます。
授業で先生が何を話しているのか分かっていない様子を見て、「同じ授業料を払って、同じように授業に出ているのに、教科書でしか学べないのはおかしい」と思ったのがきっかけです。

本当なら、授業中に手話通訳をできれば良かったのですが、当時はそのような取り組みが一般的ではなく、学校側が認めてくれませんでした。
そこで、代わりに文字での通訳である「ノートテイク」をすることにします。その方の隣に複数人の手話サークル部員が座り、先生の話を交代でノートに記して伝えていきました。

また、1981年の大学二年生のときに、国連総会が「国際障害者年」を宣言します。これを機に、障がい者のことが広く注目され始め、全国でさまざまなイベントが開催されていきます。

例えば、「国際障害者年」のテーマソングに合わせて車いすの方が踊り歌うというパフォーマンスをしたり、手話サークルの大学生が手話コーラスをしたり。手話サークルが活発な関東の大学との、合同ミーティングなどもありました。

さまざまなイベントに参加させていただき、貴重な経験をさせてもらいました。何よりどのイベントも楽しく、充実の大学生活でしたね。

アニメの影響でバレーボール部に

学生時代、『アタックNo.1』や『サインはV』といったバレーボールをテーマにした少女漫画が人気でした。私も毎週のように『アタックNo.1』のアニメを見ていました。
中学生の時にバレーボール部に入部したのも、アニメの影響が大きかったですね。当時、バレーボール部は非常に人気があり、部員数は1、2位を争うほどでした。

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