社会福祉法人 聖風会

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クローバースマイル

2024.04.11

聖風会 ロードショー 第12幕 -髙橋貴枝 編-

映画よりもドラマティックな出来事が起こるから「人生は面白い」

聖風会で働く職員は現在930名。その職員一人ひとりに、福祉の仕事に関わった“きっかけ”や仕事を続けている“想い”があります。

どのようにして福祉の仕事を志し、聖風会への入職を決意したか。またどのような職業人生(道、ロード)を歩んできたかを、その時々に触れてきた、音楽、本、映画、心に残っている言葉と共に紹介するシリーズ連載「聖風会 ロードショー」をスタートさせます。

今回は「ゆうあいの郷 六月」の髙橋貴枝施設長です。第9幕(全3回)は、聖風会への復帰と今後の目標についてお話を伺いました。

聖風会を離れ、手話通訳の活動へ精力的に

実は、26歳の時に、一度、聖風会を退職しています。
退職中は自由気ままにアルバイトをしながら、ボランティアで手話通訳の活動などをしていました。そんな中、「手話通訳士」という厚生労働省が認定する、手話通訳の公的資格ができると話題になります。

それに伴い、手話の勉強会なども活発になり、通訳をするかたわら埼玉県内のさまざまな場所で開かれる手話教室や研修会に参加するようになりました。今まで以上に多くの視聴覚障害者の方と知り合いになれ、自分の世界が広がり、手話の素晴らしさを改めて感じられる日々でした。

また、せっかくなので手話通訳士の資格も受けてみようと、第一回開催に申し込みます。特に試験勉強などはしませんでしたが、無事に合格。あっさりと手話通訳士になれてしまいました。
長く続けてきた手話の実力を認められたようで嬉しかったですね。

聖風会へ復帰、異動に戸惑い

アルバイト生活を2、3年続け、貯金も少なくなり、もう一度どこかへ就職することを考えます。
とはいえ、今から新しい職に就くのは少し違う気がしました。改めて自分にできることを考え、やはり福祉しかないと、思い切って退職した足立新生苑に電話します。すると、ちょうど辞める職員がいるから戻ってらっしゃいと、快く受け入れていただきました。

再就職後は異動も何度か経験しました。足立新生苑に復帰した後、ゆうあいの郷扇、ゆうあいの郷六月、西日暮里在宅高齢者通所サービスセンターと順に移り、ゆうあいの郷六月に戻ってくるタイミングで施設長に就任となりました。再就職から施設長になるまで30年間、さまざまな場所で多くの経験を積むことができました。

特に大変だったのは、ゆうあいの郷扇から、ゆうあいの郷六月へ異動したときです。当時、ゆうあいの郷扇ではデイサービスを担当していたのですが、ゆうあいの郷六月へは特別養護老人ホームの相談員として異動になりました。
特別養護老人ホームの仕事は約20年ぶりで、変わった制度、新たにスタートした介護保険などの知識もありません。本当にわからないことだらけで、今は千住桜花苑の施設長をされている当時の木村主任に何度も助けていただきました。

また、異動する先々であたってしまう、の実地調査も印象に残っています。「髙橋が来ると実地調査がついてくる」と言われかねないほどでした。

利用者との何気ない時間を楽しんでほしい

施設長になった今、現場の職員がもっと自由に、のびのびと働ける環境を作っていけたらと思っています。

私自身、入職したばかりのころ、担当のフロアで本当に自由にやらせてもらえたことが良い経験になっています。
例えば、いつも廊下のオルガンを弾いている利用者のために、オルガンの周りに画用紙を切り抜いた音符マークなどを貼って飾り付けをしたり。お花が好きな利用者には、自宅で育てていた珍しい花を持って来たり。後は、ちょっとした時間に折り紙をしたり、テレビを見ておしゃべりをしたり。
特別なイベントや行事をしなくても、利用者と関わるちょっとした時間を楽しんでもらいたいです。

自身の今後としては、「デフリンピック(聴覚障害者のオリンピック)東京」に何かしらで関われたらと考えています。

2025年秋に日本で初めての「デフリンピック」が開催されます。夫がサッカーの専門委員をしているため、単純に観戦者として関わるのはもちろん、ボランティアなどで力になれたらいいなと思っています。日本での開催は自分にとって最初で最後になると思うので、しっかりと見届けたいですね。

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