社会福祉法人 聖風会

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クローバースマイル

2024.10.14

聖風会 サンクスレター エピソード1:「気にしなくていいからね」のAさん

「聖風会サンクスレター」は、家族やご利用者からいただいたお手紙をご紹介するコーナーです。今回は、グリーンハイム荒川の伊勢課長にお聞きしたお話の第1回(全3回)です。

「清ちゃん」と呼ばれた新人時代

ご利用者との日々の関わりで多くを学び、成長できたからこそ今の私があります。だから私にとっては、聖風会での毎日がサンクスレターのようなものです。

2001年、中途採用で「ゆうあいの郷 扇」に入職しました。前職は肉屋で販売の仕事をしていましたが、実は辞めたのは2年前。聖風会で働くまでは自由気ままなフリーター生活を送っていました。
看護師をしている妹のすすめで介護の世界に入りましたが、最初はわからないことだらけ。社員として働くのも久しぶりなため、毎日緊張しながら出勤していましたね。

当時、男性職員がまだ少なく、私を入れてもたった二人だけでした。だからこそ、職員だけでなくご利用者も気にかけてくださる方が多く、それが大きな支えとなりました。
ご利用者からは野球の清原選手に似ていると言われ、いつしか「清ちゃん」と呼ばれるようになりました。愛称で呼んでいただけるのが嬉しく、緊張はしだいにほぐれていきました。

包帯を巻けず厳しく叱られる日も

そんな新人時代、特に印象に残っているのは、ショートステイのリピーターであるAさんです。

Aさんは、いつもニコニコの笑顔でお話をしてくださる方でした。会話がとてもお上手。ショートステイでは個室の部屋を選ばれていましたので、Aさんのお部屋に行くのが当時の私の安らぎのひと時でした。

というのも、皆さま、何もわからない私をあたたかく迎えてくださいましたが、至らない点や失敗も多くあります。厳しい言葉をいただき、落ち込むことも少なくなかったからです。

例えば、いつも職員に包帯の巻き直しを頼まれるご入居者がいました。ケガをしているなど治療のためではなく、習慣として巻かれていたものです。そのため、私も頼まれれば一生懸命に巻き直しをさせていただきましたが、思うようにできません。「何をしているんだ、他の職員ならもっと上手にできるぞ!」と、見かねたご入居者からいつも厳しく叱られていました。

叱られてはやり直して、また叱られての連続。自分が不甲斐ないせいだとわかっていても、何度も叱られるとどうしても精神的につらくなってきます。

ご利用者からの温かな言葉

「気にしなくていいからね」。
Aさんは、私が他のご利用者に叱られているのを見ると、いつも後から温かい励ましの言葉をかけてくれました。

Aさんは全介助が必要な状態で、オムツ交換をはじめあらゆる介助をさせていただきましたが、私はどの介助も慣れておらず一つひとつにとても時間がかかっていました。
はやくしなければと、焦れば焦るほど上手くできない。そんな私を、Aさんはいつも気遣ってくれていました。
「はじめてだからね、ゆっくりでいいよ」と、優しい言葉をかけてくださるのです。それらの言葉が、当時の私にはどれほど支えとなったか。

入職1年目は、すべてが新しい挑戦でした。つらいこともありましたが、だからこそ嬉しいときの喜びは大きく、成長もできました。今の私にはどちらも、かけがえのない思い出です。

伊勢課長のとっておきの一枚

ご利用者と花火を楽しむ夏のある日

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