社会福祉法人 聖風会

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クローバースマイル

2023.05.29

聖風会 サンクスレター エピソード4:元気いっぱい?!ご利用者Cさんとの出会い②

「聖風会サンクスレター」は、ご家族やご利用者からいただいたお手紙をご紹介するコーナーです。実際にお手紙を受け取った職員の方に、当時の印象的なエピソードと共にお手紙の内容を振り返ってもらいます。4回にわたり、花畑あすか苑の永田さんに届いた二通のお手紙についてご紹介をします。
第4回目の今回は、二通目のお手紙の続きです。

ご利用者を思うからこそのご意見

二通目のお手紙をくださった娘さまは、頑固なご利用者に手を焼きながらも、Cさんをとても尊敬されている様子が印象的でした。
また、家での元気なCさんを知っているからこそ、できないことが増えて弱っていく姿をとても心配されていました。Cさん自身もそうですが、娘さまもご利用者の体の変化を受け入れきれないところもあったように思います。
例えば、食事についても流動食でないと喉に詰まりやすく危険な状態だったのですが、「なぜ普通の食事ができるのに流動食なのか」とご意見をいただきました。
私自身も、ご利用者が自分の家族ならできるだけ普通の食事で美味しいものを食べてほしいと思ってしまうでしょうから、娘さまの気持ちは良く理解できます。こればかりはどちらが正しいということでは解決できません。
そこで、娘さまが来られた時は、食事の補助を手伝っていただく形で特別に通常の食事に近いものを用意させていただきました。毎日は対応できませんが、せめてCさんと娘さまのお二人でおられる時だけでも、食事の時間を楽しんでもらえればとの思いからでした。

一年越しのお手紙には立ち会いへの感謝が

Cさんが亡くなられてすぐ、私の方から1、2回お電話をさせていただきました。実は、お母さまも入居希望だったのですが縁がなく、その後は半年ほど音沙汰がない中での娘さまからのお手紙でした。
お手紙には、Cさんが亡くなられて約1年後にお母さまも亡くなられたこと。お母さまはコロナ禍での入院だったため、一度も面会ができなかったことが書かれていました。
また、花畑あすか苑ではリスクを承知の上で、直接面会をさせてくれたこと、最期も看取れたことに改めて感謝しているとつづられていました。
Cさんに続き、お母さまの訃報には驚きで時が止まったようでした。悲しいのはもちろんですが、改めて読み返すと、大変な時期にお手紙をくださるほど花畑あすか苑は良かったと娘さまの思い出に残っているのだと感じられて報われる思いでもあります。

娘さまの涙に込められた「あなたで良かった」

その後、お手紙に対するお礼のお電話をさせていただきました。お電話では、ご両親のことで大変だと思うので、私のこともいつでも頼ってくださいとお伝えさせていただきました。
他に特別な話をしたわけではないのですが、娘さまは「永田さんの声を聞いたら安心して」と涙ながらにお礼を言われました。それだけ今まで張りつめた気持ちでおられたのでしょう。少しは力になれたのかと思うと嬉しく、私の方が感謝の気持ちでいっぱいになりました。

ご利用者とそのご家族は施設でどの職員にあたるかを選べません。だからこそ、「あすか苑が失敗だったな」ではなく、「あなたで良かった」「花畑あすか苑で良かった」と言ってもらえるように努めなければなりません。
これからも娘さまの涙ながらのお礼の言葉を支えに、「あなたで良かった」を目指して日々の仕事に向き合わねばと思っています。

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