
2025.06.30
聖風会には部門の垣根を越えて事業ごとに組織される横断委員会があり、そのひとつである私たちケアマネジャー委員会は居宅介護支援事業所で働く在宅のケアマネジャー(以下、ケアマネと記載)で構成されています。
委員会では3年に一度の制度改正に伴う業務の変更点の確認など、法令に沿った業務が適切に行えるよう、主に法人内での基準作りや情報交換などを行っています。
今回は業務点検についてお話ししていきたいと思います。
ケアマネという仕事は、ご利用者が抱える生活に対する困りごとを聴き取り、その方の意欲を引き出しながら、介護サービスや多様な支援を組み合わせてサービス提供を行い、困りごとの解決を図っていくことが主たる役割となります。
一方、この仕事は「ケアマネは動く度に書類が増える」と言われるほど、取り扱う書類が膨大な量となることで有名な仕事です。
ご利用者の話を聴く、サービスの調整をする、介護サービスを利用するための会議を開く、どのように介護サービスが利用できているか毎月確認をする、ご利用者の体調の変化に留意する。こういったケアマネの動きやご利用者の状況に合わせて、書類・書類・書類と作成する書類が積もり積もっていく過酷な仕事です。
ケアマネがご利用者を支援する流れを“ケアマネジメントプロセス“と呼びます。
このプロセスごとに生じる書類が作成されていないことは、介護保険サービスとしてケアマネがどのように動いたかを証明できないことに繋がってしまい、介護報酬を得られなくなる仕組みとなっています。
新人ケアマネも、ベテランケアマネも、ご利用者やそのご家族の笑顔が見たくて支援を行っていますが、常にこの書類の整備に頭を悩ませています。
先に述べましたように、書類作成を忘れることや、必要な会議を開催しなかったとなると、仕事としての対価が得られないこともありますが、一番の問題はケアマネジャーの“自信喪失”や“書類を作ることが仕事“に成り代わってしまうことです。
令和3年4月、ケアマネジャー委員会では、この膨大な書類作成の中で漏れが無いか、法令を遵守して業務が行えているか等のチェック体制を強化していくことを目的に「内部監査の仕組みを考えていこう」という動きが生まれました。
これまでケアマネジャー委員会の開催頻度は3か月に一度でしたが、速やかにチェック体制を構築するため、毎月小委員会を組織して検討することになりました。
小委員会での検討を繰り返し行い、同年8月に内部監査の体制を整えることができました。
~次号へつづく~