
2025.07.28
聖風会には部門の垣根を越えて事業ごとに組織される横断委員会があり、そのひとつである私たちケアマネジャー委員会は居宅介護支援事業所で働く在宅のケアマネジャー(以下、ケアマネと記載)で構成されています。
委員会では3年に一度の制度改正に伴う業務の変更点の確認など、法令に沿った業務が適切に行えるよう、主に法人内での基準作りや情報交換などを行っています。
今回は業務点検についての第2回をお送りします。
ただでさえ書類作成に追われ日々悩み、業務に抜けがないか不安に感じているケアマネに対して「内部監査」という言葉は重くのしかかるものです。そこで、プレッシャーを少しでも和らげようという思いから、内部監査の名称を変更して「業務チェック訪問」「業務確認交流」「業務の健康診断」等、様々な名称案が上がりました。最終的に決定した名称は「業務点検」と少し堅苦しくなりましたが、「監査」よりは響きがソフトになったのではないかと思っています。そう思いたいです・・・(笑)
業務を点検する際、点検する人によって認識や評価の尺度が変わると、点検される側は混乱してしまいます。場合によっては間違った解釈が植えつけられ、ひいては業務に悪影響を与える等、逆効果になることもしばしばあります。
同じスケールでばらつきが生じない業務点検となるように、東京都、足立区それぞれで作成している人員・設備・運営基準等の自己点検表を参考にチェックシートを作成しました。
~東京都~
8 居宅サービス事業所等自己点検票(介護)|指導検査要綱・実施方針・指導検査基準・自己点検票|東京都福祉局
~足立区~
介護サービス事業者の自己点検票について|足立区
書類のチェックについては点検者の主観は入れず、点検書類の有無のみを確認することにしました。
点検により判明する業務の漏れは必ずあります。フィードバックでは事実として漏れがあったことを伝えるとともに、それを予防する仕組みや工夫を伝えつつ行うことで、ケアマネの業務改善や事業所の体制を見直すきっかけを作ることにも繫げています。
また、仕事に対する不安を少しでも減らせるように、フィードバックの締めくくりには「良かった点」を必ず伝えるようにしています。点検により見えてくる職員の頑張りをきちんと評価することで、職員個々の自信に繋がれば嬉しい限りです。
ケアマネは自分の仕事の進め方が正しいのか、常に不安に感じています。他のケアマネはどのように仕事をしているのか、常に気になっています。
業務点検は他の事業所へ出向いて点検を行うことから、他事業所の様々な工夫や良い取り組みを知る機会となります。書類の作り方、書類作成であつかう文言、ファイリングの一つをとっても他事業所の取り組みは新鮮に映ります。
また、事務所の雰囲気や職員のコミュニケーション風景など、実際に体感して分かる業務以外のすばらしい副産物もたくさん見つけることができます。見て・感じてきたことを自身の事業所に持ち帰り、良い取り組みは率先して取り入れる、業務点検を通じて双方がメリットを感じられるようすることも目的の一つとなっています。
冒頭でも述べました通り、介護保険制度は3年に一度の制度改正があります。制度が変われば仕事の内容も変わるため、点検する項目も変化していきます。常に最新のケアマネジメントプロセスを把握し、チェック体制をアップデートしていくことが正確な業務点検に繋がります。
制度が変われば新たな悩みも生まれる。その悩みを法人として放置せず、常に仲間が支え合い、個々の仕事を見守ってくれる体制づくりが重要と考えています。
まさにこの記事を書いている令和7年4月、業務点検表のバージョンアップを小委員会で切磋琢磨して検討しているところです(祝 完成)。
年一回、業務点検を継続していくことで、ケアマネジャーが仕事の悩みを減らし、自信を持って業務に当たることができるよう、今後もこの取り組みを続けて行きたいと思っています。